映画「君のクイズ」を見た。 https://yourownquiz.toho-movie.jp/
正直なところ、競技クイズも謎解きもバカにしてるような内容だと思った。どちらのゲームも、物事に関する知識やそれをクイズとして構成する方法に関するメタ知識、そしてそれらを適切なタイミングで引っ張ってくるための構造化とひらめき、といった知識への向き合い方が肝であり、内面化の深さが競技者の面白さにつながるものだと思っている。映画の中ではどの要素も上っ面をなぞっているだけで、登場人物の言動がこういった「知識と向き合っている人」の像とあまりにも乖離していて人間味を感じられなかった。特に、一番おもしろいところである思考過程の描写がほとんどないのだから、知的ゲームを楽しむ話ではなくそれこそ「魔法」が起こるさまを見るだけのよく分からない映画になっている。
クイズや登場人物の背景は単なる舞台装置として雑に置かれており、主人公は思考過程を吐露することもなく、ただお話の一部として動く操り人形のように感じた。ディレクターもただ良い画を撮るためにクイズの順番を操作したり、各種のサプライズを仕込んだりと、およそ人間味を感じられず話を転がすだけの装置になっている。「怪物」といえば聞こえはいいが、根底の信念が薄っぺらくただ不快な人でしかない。そして、全体的に人間の描き方が薄っぺらいのに最後に人生訓につなげて締めているから盛大にスベっている。
QuizKnockやリドラが好きなので、こういう体験を映画の文法で映像化したらどうなるんだろうかと期待していたけれど、かなりの肩透かしだった。映像では内心の描写が難しいのでそこをどのように解決するかが鍵になるはずだが、まったく解決せずに単に描写をすっ飛ばしただけなので、話に納得感がない。
小説とは相性が良さそうなストーリーだとは思ったので、原作を読んでみようかな。映画はおすすめしません。